アラフォーの本棚

40前後の中年の読書記録を公開。

ミステリー小説

書評:魔偶の如き齎すもの ~ 短編の中でホラーとミステリの融合

魔偶の如き齎すもの 刀城言哉シリーズ第3(だったっけ?)短編集。 シリーズ特有の不思議な事件の影に怪異がある、という舞台設定。探偵役・刀城言哉が事件の謎を解くものの、すべての謎を解き切れず、一部に謎が残り、それは怪異のせいでは、という内容。 …

書評:ネジ式ザゼツキー ~ミステリーの枠に収まらない傑作本格ミステリー

ネジ式ザゼツキー 奇想。これに尽きる。 よく、こんなストーリーを考え付くな、とただただ脱帽する小説。読後に残るものは少ないが、読んでる最中はこの小説の世界観にただ圧倒される。最高級のエンタメ。 ミステリーを読まない人には、「容疑者Xの献身」を…

書評:容疑者Xの献身 ~純粋な愛とその残酷さ

容疑者Xの献身 現時点で、現代ミステリーの最高傑作と思う。ミステリーとしても一級。人物描写も一級。人を愛することの純粋さと残酷さが見事に描かれており、読後はただただ切ない。 冒頭、母子家庭に元夫(子供にとっての父)がやってきて、トラブルの末に…

書評:王とサーカス ~時に正義は悪より犠牲を生む

王とサーカス ミステリーとしては、派手なトリックがあるわけではないものの、緻密なロジックの上で事件の真相にたどり着く正統派。私はミステリーとしての出来もさることながら、事件の背景にある犯人の動機というか思想というか、そういうことを考えさせら…