アラフォーの本棚

40前後の中年の読書記録を公開。

小説

書評:クジラアタマの王様 ~今生きている世界は現実か、誰かが見ている夢なのか?

クジラアタマの王様 伊坂幸太郎の文庫最新刊。 いつも通りの伊坂節。現実とは地続きであるものの、少しファンタジックな世界観。登場人物が深刻な状況に陥りながらも、どこかユーモアのあるセリフが交わされ、その点がやはり現実感から少し離れる印象を与え…

書評:白鯨 ~読書スキルの限界を見せつけられた作品

白鯨 文学史に燦然と輝く名著。 ・・・のはずだが、読むのに非常に時間がかかり、挫折しそうになった。上下巻をひとまずは読んだが、果たしてこの本の面白さを私が理解できただろうか?この本を読むことで、しょせん私の読書スキルも知れたもの、という挫折…

書評:銀河鉄道の父 ~父親であることの苦悩と喜び

銀河鉄道の父 童話作家としては知らぬ者がいない、宮沢賢治の父を主人公とし、父親を通してみた賢治の成長を描く。世の父親は全員この小説に一部なりとも共感を抱くのではないだろうか? 宮沢家は代々質屋を営み、比較的裕福な暮らしをしていた。その家の長…

書評:レ・ミゼラブル ~降りかかる不幸も心の持ちようでは幸福に?

レ・ミゼラブル レ・ミゼラブルは、言わずと知れたフランスの作家、ユゴーの名作長編。 とはいえ、私はアラフォーになるまで読んだことがなかった。 こんなことでは恥ずかしすぎる、、、ということで読みました。 新潮文庫版は全5巻。 まず、言えることは、…

書評:サウスバウンド ~世間の常識が正解とは限らない?

サウスバウンド コミカルな中にも、社会への批判が描かれて感動させられる小説。 また、小学生の心情も的確に描いた青春小説であり、少し変わった家族を描く家族小説の要素もある。ページ数は多いが、引き込まれ、どんどん読めた。 青春小説や家族小説が好き…